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西尾市の抹茶
愛知県南部に位置する西尾市は、抹茶の生産で知られています。
三河の小京都とも呼ばれる、古都の情緒あふれる西尾市は全国でもトップクラスの抹茶の生産地です。
抹茶の原料となる碾茶の生産は全国生産量の約20パーセントを占めています。
西尾市でお茶の生産が始まったのは、古く鎌倉時代からだといわれています。
宋から茶の種や喫茶の方法などを日本に持ち帰って伝え、日本茶文化の祖と言われているのは、臨済宗の開祖で「喫茶養生記」を著した栄西禅師です。
その弟子で京都の東福寺の開祖である聖一国師を、現在の西尾市にある実相寺で招いた折に、宋から持ち帰った茶の種をまいたのが西尾茶の起源とされています。
中国の宋代は茶葉を固めた団茶を臼で挽いてから飲む、現在で言う抹茶法が発生した時代であると考えられています。
栄西や聖一国師が持ち帰って広めたのが抹茶であるのもうなずけますね。
そして、その遺風を現代に伝えているのが西尾市の抹茶なのです。
その後明治時代になって西尾は本格的な茶所として発展していきます。
抹茶の生産には大変手間がかかります。
基本的には最高級煎茶の玉露と同じように栽培されます。
「簀下十日、藁下十日」と呼ばれるように、日光を遮って栽培する方法が取られます。
まず茶摘みの20日前からよしずで茶畑を覆います。
このころはまだ薄暗い程度の遮光率です。
それから10日ほど経ったら、よしずの上にワラをしきつめてよりしっかりと日を遮ります。
そうして育てられた茶葉は薄く柔らかいものになります。
成分の上でも苦みや渋みのタンニンが減少し、甘みや旨味のテアニンが増えます。
つまり甘くこくのあるお茶になるのです。
収穫は、高級品は昔ながらの手摘みで行われます。
若葉だけを丁寧に摘み取ったら、その日のうちに蒸されます。ここで玉露は揉みますが、碾茶はそのまま乾燥して砕き、茎などの余計なものを排除します。
これを茶臼という専用の石臼で丁寧に挽いて粉にしたものが抹茶なのです。
西尾市は、この碾茶の生産が日本でもトップクラスとなっています。
そんな西尾市は抹茶の里としての事業を進めています。
市を挙げての春の大茶会が催される他、学校や地域単位でたびたび茶会や野点が行われます。
小中学生は茶摘みも経験し、市民は幼いころからお茶に親しんでいます。
実相寺などの歴史的な観光スポットや、お茶文化の体験ができる製茶場や茶舗もあります。
街のいたるところにお茶を使ったスイーツや料理を楽しめるお店もあり、風情ある小京都の町並みを眺めながらお茶巡りを楽しむこともできるのです。
京都宇治や静岡、福岡の八女など、全国のお茶どころは今注目を浴びています。
お薄も抹茶スイーツも大好きという方は、一度西尾市を訪れてみることをおすすめします。